お猿の戯言 homosapiensaru's babble


2012年7月31日[火] トムズボックスで荒井良二と遭遇!



今日は午前中、トムズボックスの土井さんにイラストレーション論の授業で絵本の立場から
イラストレーション(絵のこと)を語っていただいた。ほとんど絵本の話だったけど。面白かったなぁ。

そのとき、荒井良二展が今日までと聞き、閉店間際に飛び込む。
荒井さんに遭遇っていうか、彼の個展の最終日だからいない訳ないよね。
久しぶり。女の子にサイン中の彼の横でぶつぶつ質問。
彼、来春から京都精華大学で教えるっていうことを聞いていて、そんな質問。
やっぱり実質的な関わりというよりは看板だなぁ。
むしろ、看板じゃなきゃやだよ!って彼言ってたな。
面白いなぁ。京都精華大学はやるなぁ。


夕焼けをなんとなく撮ったら、左上方にUFOか!? 鳥か?




2012年7月20日[金] 音



梅雨が終わった途端に外は肌寒い
なのに
車の騒音に混ざってニイニイゼミの鳴き声が響く

雨が強く降り始め 蝉は鳴き止む
葉に雨のあたる音
変わらず車はひっきりなしに行き交う

自然音 人工音

心地よい音 そうでない音

いろんな音に囲まれて
心臓の鼓動 血液の巡る音
胃や腸が収縮する音が
その中に混ざって確かに存在する

いのちの音が
細胞レベルの音たちが

ここでこうして生きていますよと

ぼくの生きている音
いのちの営む音が

ここでこうして生きていますよと

聞き取れないくらいの小さな声で
今日も元気よく知らせてくれる




2012年7月14日[土] 横浜美術館

©yoshitomo nara<br>「春少女」<br>2012 アクリル・カンヴァス<br>227.0×182.0cm
©yoshitomo nara
「春少女」
2012 アクリル・カンヴァス
227.0×182.0cm



珍しく初日に展覧会に行く。

父の墓参りを終え、そこが横浜に近いと思い(そうでもなかった…)、車で横浜美術館に向かった。

今の自分の気持ちの流れの中で観ておかなければならない展覧会だった。
作品を生で観るということと同時に展覧会をどう構成しているのかということを観ることが重要だ。

やはり、ペインティングがいい。作品の中の抽象性を再確認する。制作過程を観ると宇宙が隠蔽されていることを知る。

それにしても、鑑賞者のほとんどが女子だ。十代や二十代といった若い女性は当然ながら、中年女性が多いのにびっくり。

ドローイング作品の中に描き込んでいた文言「あの娘が歌うAIKOが好き」に驚いた。
ちょっと狙ってる?ナチュラルなのかな?自分のことを思えば自然なんだろうなと理解はしたが…。自分もそういう傾向はあるが、奈良さんは精神が相当女子だなと感じた。

見た目も自分とは二歳違いとは思えないくらい若いんだけどね。
はは、そこはまぁ、いいか。




2012年7月13日[金] 東京都写真美術館

Rinko Diaryより
Rinko Diaryより


写真家、川内倫子氏の個展「照度 あめつち 影を見る」を観る。
彼女の扱う世界観に自分を重ね合わす。

オリジナルを観ずとも印刷物で十分伝わっていることを知る。
むしろオリジナルに触れても写真集等で接している以上に感じることがなかったのは、残念ではあった。展覧会の構成がいまいちではないかと感じた。
それと、時間軸には特に意味がないと思った。
ならば、個人的にはもっともっとたくさん写真だけを観たかった。

川内倫子が6×6で切り取る世界の裏側にある思想は、誰しもが持っている感覚であるはずだ。だから、彼女の一枚一枚の写真に触れると、儚くて美しいという感想で終わるのではなく、観る者はむしろその内奥に潜んでいる普遍的で強靭な何ものかの存在に気づかされる。その気づきは魂の最も大事な部分に引火し、きらきらと輝かせることになる。すると、魂に刻まれた記憶は懐かしさに涙するとともに現実の居心地の悪さへの反省を促され、本来あるべき姿、未来への正直さを取り戻すことへの誓いを立てさせられるのだ。




2012年7月6日[金] 横須賀美術館

《毛皮の女》<br>1930年 横須賀美術館蔵
《毛皮の女》
1930年 横須賀美術館蔵



国吉康雄展を観に行く。
最近、気になっていた画家だったが、まぁこれといって感銘するということはなかった。
彼は最終的にはパリを目指していたそうだが、成功するということがどういうことなのか考えさせられた展覧会だった。

どれを観ても手放しで喜べないのはなぜか。
単純に自分にとってフェイバリットでないということではすまされない何かが横たわっている。
彼が当時日本の画家の憧れの地だったパリにいて絵を描いていたとしたらどうだったのだろう?
試すべき場所で試すということなのか?




2012年7月1日[日] 原美術館



忘れてた!
「杉本博司: ハダカから被服へ」展へ急ぐ。
今日までだとは!


今度は、「装う」がテーマかぁ。やるなぁ。
こういうアプローチ好きだなぁ。

実際に撮影された衣装が展示してあった。
杉本氏がモチーフをどう演出し、撮影をし、己の作品として成立させているのかが窺い知れて興味深かった。

モチーフを美しく撮影することはもちろん、その美を超えて杉本写真としてどう作品と化すのか。目の前にあるのは、ディオールやサンローランのコスチュームではなく、杉本の写真であるということ。