お猿の戯言 homosapiensaru's babble


2009年6月30日[火] 画家の芯 〜 ヒキガエルの逢い引き


今日のイラストレーション論は画家・金田実生さん。
多摩美のグラフィックデザイン科出身のアーティストだ。
欲やこれ見よがしのない、無駄をそぎ落とした思考が素敵でした。
「好きならばやってみよう」
この言葉が印象的でした。

デザイン科でイラストレーションを学ぼうという者が、果たしてどこまでイラストレーションということを意識しているのか?漠然と絵を描くことをしたいのではないか?絵を描くことで一生を過ごしたいと考えているのではないか?ならば、もともとの絵を描くということの基本をもっともっと学んで欲しいと強く願う。


深夜の帰り道、崖の下のアスファルトの端のところでヒキガエルに遭遇。
夜の逢い引きか。
胸に秘めていた素敵な気持ちを言葉にして吐き出した瞬間、二匹は王子さまとお姫さまに変身しました…とさ。




2009年6月28日[日] ゆりかもめ

先日、日本科学未来館に行ったとき、新橋からゆりかもめに乗った。
以前にも一度乗ったことがあるが、乗り合わせた時間がよかったのか窓外に広がるランドスケープに興奮した。
湾岸地帯を走るからだろう。普通の電車から観る景色とはひと味違って興味深かった。
非日常という言葉を使ってしまうのはどうかとは思うが、ともかくいつもと違った刺激に襲われた。
この感覚は、以前にもどこかで味わったな? そう、そうだ。初めてのニューヨークだ。

大学院入学を控えた春休み、ニューヨークへ友人と卒業旅行に出かけた。
パンナムのジャンボジェットがラガーディア空港に着いたのはかなり夜遅かった。
車でマンハッタンのホテルへ向う。
初めての外国旅行がマンハッタンであり、街に近づくにつれ極度の緊張感が全身を脅かし始める。
ブルックリンブリッジを渡ったのだろうか、橋から見えるマンハッタンの夜景は信じられないくらいの人工美で輝いていた。夜なのに街のディテールはくっきりとして眼にするものすべてがインパクトの固まりであり、初めての刺激に大興奮した。
そこから始まる二週間の生活にそれまで不安だけだった気持ちに加え、期待が入り交じったものだ。

あれから30年近い年月が経ったことをゆりかもめの中で感じていた。

写真は3年前、エンパイアステートビルから撮ったのものだ。もはや、ワールドトレードセンターの姿はない。




2009年6月25日[木] 手

ⓒhiroki taniguchi
ⓒhiroki taniguchi


テ ノ チカラ
アリト アラユル
コトバ ヲ コエテ
スベテ オミトオシ
テ ノ チカラ

ソット カサネラレタ
カミ ノ ヌクモリ



2009年6月24日[水] 廣村さんおめでとう!

今日は、我が東京工芸大学 デザイン学科の一翼である廣村正彰先生の毎日デザイン賞の受賞パーティが日本科学未来館(廣村さんはここのサイン等、グラフィックを手掛けていらっしゃいます)1階ロビーであった。一緒に受賞されたのはwebデザイナーの中村勇吾さんだ。中村さんは大きくてびっくり!

廣村さん、どんどん立派になっちゃってさらにお忙しくなられるだろうけれど、大学のこと頼んますよ!

帰りには、佐藤卓先輩と佐合ひとみ先輩(歳は下なんだけど)と澤田泰廣後輩、大阪からやってきた三木健氏、イケメンの永井裕明氏、新村則人氏と酒盛り。
み〜んなアートディレクター&グラフィックデザイナーなんですけど、もう話がくだらなくてチョ〜盛り上がった盛り上がった。



2009年6月23日[火] イラストレーション論



イラストレーション論にNHK解説員の中谷日出さんをゲストに迎えた。
BSでON AIRされているデジタルスタジアムという番組で司会をされている。

中谷さんは、予備校から知っていて、大学院では同じ学び舎にいた。
10代後半、20代前半に知り合った人たちがどんどん立派になっていって、今、リアルに世の中を動かす人となっているのがなんとも頼もしく面白い。

講義は、自己啓発セミナーに参加しているような気分だった。
まるで、僕のために企画されたような講演内容でやる気が出ました(笑)!

ナショナルアイデンティティ ブランド力 プレゼンテーション力 映像表現 という分かり易いが、改めてハッとさせるキーワードが聴くものを刺激する。

クリエイティブな表現が美大生だけの特権的なものじゃなくなってきたという現実に学生たちがどう立ち向かっていくか楽しみだ。

中谷さん、どうもありがとう!



2009年6月20日[土] GX-200


カメラが届く。
身近にあるものを写してみた。
ぼけ味がなんともいい。
うれしい。



2009年6月16日[火] イラストレーション論



イラストレーションを論じる講義を担当しています。
前期の三分の二を私が講義し、残りの時間でゲストをお迎えし、現場の生の声を学生に聞かせています。

今日はゲストに株式会社ドラフトのアートディレクター渡邊良重さんを迎え、仕事を紹介していただきながらお話しをしていただきました。
素敵なお仕事をたくさ〜ん拝見してお腹いっぱいになってしまいました。

渡邊さんの作品を観ながら、な〜んだと思うことがしばしばでした。というのは、講義中、学生、特に女子学生の課題作品を走馬灯のように思い出していたのですが、というよりは、思い出さざるを得なかったのですが、それは、いいぞと思っていた多くの作品が渡邊さんのパクリであったことが判明したからです。私も世の中のグラフィックデザインのすべてを把握できている訳ではないので、評価するということのむずかしさを改めて感じました。

ちなみに、先週のゲストは、イラストレーターの大塚いちおさん。
来週6月23日は、デジスタの司会でおなじみのNHK解説員の中谷日出さん。
6月30日が、画家の金田実生さん。
7月7日が、OB&OG/上田風子、遠藤拓人、加藤遼子、ケッソクヒデキ。
7月14日が、アートディレクター&イラストレーターのゴトウヒロシさんです。
最後に、また私が締めて前期の講義が終了します。



2009年6月14日[日] 第一回オープンキャンパス


第一回ということはそれ以上あるっていうことです。

我がコウゲイ大は、タマ美やムサ美のようなブランド力がないので、一回だけでは済まないのです。頑張らねばならんのです。
頑張るという言葉は、我を張るということですから好きな言い方ではありませんが、頑張るのです。
この日、ムサ美のオープンキャンパスと被っていながらも健闘しました。

広報委員長であり、デザイン学科ビジュアルコミュニケーションコース主任である私は頑張った!
いや、もっと頑張れるな!
おっ!言ってしまった!

福島治先生の広告研究室紹介と私のイラストレーション研究室の紹介(展示)と、併せて公開授業を行った。
私の研究室は、3年生にオープンキャンパス用の課題を出し、当日にプレゼンテーション&講評という設定をし、彼らの考えた「温度」というテーマをB1サイズに仕上げさせた。教室に26名分の作品をずらーっと並べるとインパクトがあった。
会場には、他にも学生たちの優秀な作品とともに私の作品も紹介を兼ね並べた。会場は、いい気が流れ盛り上がっていた。
いつもと違う雰囲気の中、素敵な講評会となり、なかなか見応えのある展示と公開授業ができた。

次回は、7月20日[月・祝]で、三回目が、8月22日[土]です。



2009年6月11日[木] 寄り道したら福音が…

ⓒyoko nishinarita
ⓒyoko nishinarita

用事が終わり、次の用事まで時間が空いてしまった。
どうしよ〜かなぁ〜っと考えていたら、友人の展覧会が青山の美容室で開催されていたことを思い出した。毎度おなじみ西成田洋子さんだ。

美容室に行くと、なんと洋子さんがおられるではありませんか!
そして、写真家の齋藤さだむさんもいらっしゃってびっくり!
洋子さんの会場風景を撮影していた。

またまた変なものを作ってるねぇ!面白い!!

ところで齋藤さんがRICHOのGX200を持っていらっしゃって、ぼくは食いついた!
今、LEICA D-LUX 4 と RICHO GX200 とどちらを購入するかを迷っていて専門家に聞いてみた。そしてついに決めましたよ! あぁ、カメラの話ですよ。



2009年6月10日[水] ここ数日のこと


土曜日
東京イラストレーターズ・ソサエティの展覧会のオープニングがあった。
「わたしの句読点」というタイトルで、7月5日[土]まで、渋谷の公園通りにあるたばこと塩の博物館で開催中だ。一次会が終わって引き連れて行った学生と焼き鳥と日本酒を引っかけ、その後、二次会へ合流。結局和田誠さんらとカラオケに突入してしまった。
やはり仕事柄クライアントのハートを掴むのを得意としているからかイラストレーターたちはみんな歌がうまい。歌に味のない人はイラストレーターはダメかもしれないと思わせるほどみなさんエンターティナーで改めて驚いた。

 → 「わたしの句読点」


日曜日
千葉市美術館で開催中(21日[日]まで)の「パウル・クレー 東洋への夢」という展覧会へ出かけた。
これはやや地味な展覧会に見えがちだが、内容は濃い。クレー派としては、おおよくぞ!この視点からの企画を実践してくれたという感謝の思いでいっぱいだ。かなりコアなクレー観を展開しているから一般的にはやや取っつき憎いと思われそうだが(でも来館者は多かった!)、クレー芸術を語るにはここを避けては通れないっしょ!という本質の部分に突っ込んでいただいた展覧会だった。
それにしても浮世絵の影響は相当なものだったんだなぁ…と観終わったあと実感するのだが、そんな鑑賞者の気持ちを見透かしたかのように、下の階では当美術館のコレクションである浮世絵がこれでもかというくらいド〜ンと展示され圧巻だった。
なんともお腹いっぱいになってしまう千葉市美術館であった。

 → 「パウル・クレー 東洋への夢」


月曜日
昨年度いっぱいで東京イラストレーターズ・ソサエティの事務局長を辞任した。灘本唯人会長も退き、事務局に貢献していただいた会員の渡辺リリコさんもその任を降りることとなったため、三人のために労いの会を催していただくこととなった。
ご出席いただいた会員のみなさま本当にありがとうございました。
また最後はカラオケとなり、和田誠さんのリクエストで戦後の歌謡メドレーで締めくくられた。

立場上その場で伝えられなかったので、この場で会長と渡辺さんにお伝えしたいと思います。
「お疲れさまでしたッ!」


火曜日
3年生の講評を終えて、寝不足故、猛烈な眠気に襲われた。
ある秘密の場所で少々仮眠をし研究室に戻ると、学生・OB・OG・TAやらがなぜか集まってきて、知らぬ間にピザを注文し、ビールを酌み交わすということに!
絵の話やら、なんやらとわらわらと盛り上がって楽しい!楽しい!


本日
大学の仕事を片づけるため手伝いを呼び、終電近くまで作業!完璧に終わらなんだが先が見えたのでやや肩の荷が降りたような気がする。恐らく気がするだけ。




2009年6月5日[金] 子どもの絵の審査


中野消防署へ出かけ、子どもの絵の審査をした。

都内にある消防署が主催するイベントを体験した小学生が描いた絵を審査する。
都内各地域の小学校へ消防車や救急車とともに消防隊員が出向き、消火する様子などを実際にパフォーマンスし、火の怖さ、火事の恐怖を伝えていくというイベントだ。その様子を子どもたちが絵にする。できあがった作品をコンテストに応募してもらい、選ばれた作品は表彰され、優秀な作品を対象に夏休み期間中に展示会が催されるそうだ。

高学年になればなるほど絵に面白みがなくなってしまうのはどうしてだろう?
あんなに大きく捉えられていた感覚はなぜ萎縮していってしまうのだろう。

写真のようにリアルに描けることって一般の人たちの憧れだったりするが、大学の生涯学習講座では年齢層の高い方たちを相手に、それは意外につまらないことなんですよと勇気を持って伝えることにしている。
自由にわがままにやることですよ!


審査を終えて別室に行くと写真のようなケーキと珈琲が用意されていて、これがなんとも昭和な感じでいいのだ。軽い疲労にケーキの甘さが身に沁み渡り、疲れが引いていく。




2009年6月2日[火] 絵の話


イラストレーションと絵画の間に流れている河はどんな河なのか?
絵を描くということには変わらないけれど、イラストレーションと絵画には違いがあるのか?
イラストレーションとしての絵の有り様と絵画としての絵の有り様、ここにどんな違いがあるのか?
イラストレーションて何?絵画って何?

そんなことを研究室のみんなと話す。



2009年6月1日[月] お猿の遺言