お猿の戯言 homosapiensaru's babble
2011年3月26日[土] キベラの子どもたちから素敵なメッセージが届きました!
新3年生の大騎から素敵なメールが届きました!
感動です。みなさんもぜひ見てください。
→ http://www.youtube.com/watch?v=0L5W5CYkbR4
2011年3月25日[金] ほんとうにやりたいことを
大学の引っ越しは、山は越えたもののまだまだ落ち着かない。
旧研究室に納まっていた本の山を段ボール箱に詰め込んだら100箱以上になって、今度の研究室は以前よりも狭いのでその内の80箱くらいを自宅に送ることになった。やれやれ。
何年振りだろう、しばらくめくりもしなかった本を手に取って自分の興味の傾向を再認識した。
また、これまでやったきた仕事の完成品のストックの山をひっくり返したら、これが面白かった。
我々の世代は、バブルという時代を通過している。その恩恵に与ったかどうかは別だが、当時の仕事の内容を振り返ってみると、自分は結構その真っ直中にいた印象を持った。
やってきた仕事の半分以上のことを忘れていたけど、いやはやいろんな仕事をしてきたもんだ。
その山の中に30代の頃の自分の写真がいくつか紛れ込んでいて、一緒に手伝ってくれたOGがそれを発見し、引っ張り出しては「べつじ〜ん!」と言って笑っていた。
若い時の写真って気持ち悪い。特に男の若い時って気持ち悪い。自分のそれは、気持ち悪い以上に、表情に人間味が失せているのだ。気持ち悪いというよりは不気味だ。バブルという時代がそうさせているのか、忙しさがそうさせているのか?単なる自分の若気の至り的なものなのか?どれもが微妙にオーバーラップして不気味なタニグチを作り出していた。
ほんとうに今の方がいいかどうかはわからないが、少なくともあの頃に戻りたいという過去はない。取りあえずでも今が一番いいと感じている。
この引っ越しでいろんなものを見せられて、もういいんだとも思った。次のステージに行こうと単純に思えたものだ。大震災のことも抜きにしては考えられない。いろんなことが、ここから始まるんだぞ〜ということを示唆してくれている。楽観主義のまま力まずに、がんばらずに、でもしっかりと真面目に、考えるところ、念うところをとことんカタチやイロにしよう。
自分の思考や嗜好が志向するところを至高に導くためにさらに試行と施行を繰り返すまでよ(笑)。
三機工業のカレンダーのビジュアル
2011年3月22日[火] 絵具で描かれた絵
震災後二日くらいはテレビの前で垂れ流されて来る報道をただただ観て、花粉症も手伝ってか、やる気を失くしていく自分というものを実感していた。
自分にできることは何かと考え、まず実行したことは教え子たちの安否確認だった。次に、東京イラストレーターズ・ソサエティのホームページに自分の絵をアップした。併せて被災者たちへ向けてのお見舞いと一刻も早い復興と亡くなられた方達へのご冥福を祈るメッセージを載せた。
訴求力のないことは重々よくわかっていたが、これを二度ほどチャレンジした。何かこの緊急事態に対しアクションせねばとの念いから行動した。が、なんだか自分の気持ちが満たされない。結局どこか自分のためにやっているだけで、格好つけているに過ぎないんだと思い至る。
もっと無になって自分が関われること、これをすることが大事だと気づく。それはとどのつまり日常をちゃんと生きていくことだと理解した。
そんなとき、テレビにある画家の絵が画面いっぱいに映された。
この震災から10日ほどの間に眼や耳にしたことやものの中で自分の気持ちを捉えたものは、絵だった。まさに眼の前に放映されている絵具で描かれた絵だった。気持ちがぐっと入り込んだ。魂がきゅっと掴まれ、心が揺さぶられた…と同時に癒され、元気をもらった。そしてやる気が湧いてきたのだ。
芸術は素晴らしいと実感した。それを実践できる場にいる自分をうれしく思った。
誰もが同じ速度の中にいる必要はない。自分の速度で伝えていくことが大事だ。
単純だが、絵具で絵を描き続けようと馬鹿みたいにシンプルに思い、改めてちゃんと絵を描くということをすることだと心に刻んだ。
安息の地の光の加減 2006 145×227cm
2011年3月15日[火] 原発の安全と一刻も早い復興を祈ります
想像を遥かに超える悲惨な状況に心が痛みます。
被災された方々のお見舞いとお悔やみを申し上げます。
今は被災地のみなさんにとって、まずは物資だと思います。
食料、水、電気、トイレ等、精神的な復興をもたらすものはまずは物質なんだろうと思います。
こんなとき私にできることはなんだろうと思いを巡らせるものの結局は自分に課せられたことを真面目に一生懸命に当たることが大事なことなんだろうと考えました。
絵がみなさんを救うとか癒すとかまだまだそんな状況ではないことは重々わかっております。事態を憂い過ぎて、日常を生きるテンションまでも低くすることだけは避けなければならない。むしろ亡くなられた方たちの分まで生きようとするべく、またこんな状況だからこそ、いつも以上に真剣な絵を描こう。そのことが少しでも人々の精神的な部分に光や暖かみを産んでくれたらと願います。
一刻も早い復興を祈りつつ、ひとりひとりができることをすることだと思うのです。
穏やかな夜が早く訪れますように…。
©hiroki taniguchi 2006「夜のはじまり朝のはじまり」50.0×60.0cm 個人蔵
2011年3月8日[火] 引越が大変!
教鞭(鞭っていうのがやだよねぇ、この言葉)を執っている東京工芸大学の中野キャンパスが命運を懸けてリニューアルを図っている。我がデザイン学科も新しい建物が早々に建ち、この4月から新しい空間で授業が始まる。
で、今引っ越し作業の真っ只中で、東京工芸大学へ来てから10年分の資料やら何やらでごった返した我が研究室の整理整頓が想像以上に大変で、ヒィーヒィー言っている。
昨年後半に腰を故障したこともあって、本やら書類やらがいっぱいに詰まった段ボールを持ち上げることはもはや不可能だ。いや、なんとか持ち上げられてもその後が大変なことになる。学生たちに手伝ってもらいながら、必死で作業を進めている。
自分が社会に出て仕事をしだしてからもう四半世紀以上が経っている。仕事をした印刷物が四半世紀分溜まっていて、今回余計なものを処分しようと舐めるようにこれらを一通り見ることになったが、これが実に面白かったというか、こんなにたくさんの仕事をしてきたのかとただただ驚いた。
自分のやって来たことを振り返ってみて、これで次へ行けるなぁと思えた。
忘れていた自分のがんばりを感じることができて幸せだった。
さぁて、次へ向かいますか。
2011年3月2日[水] バーOppの新しい展示も始まりましたぁ!
今日、夕方セッティングに入り、羅漢猿たちが今月一杯、ここ六本木はOppで修行を始めました。どうぞ覗いてやってください。
修行に励む羅漢猿たちが醸し出す空間は霊場と化し、ご利益に預かることができるやもしれないかもしれない。手を合わせにぜひどうぞ。
2011年3月1日[火] 谷研卒展始まりましたぁ!
昨日から、谷研卒展がオープンしました。
本日はオープニングパーティでした。
生憎の雨でお客さんの出足が今ひとつでしたが、ご来場いただいたみなさんにはとても好評でした。
第一線で活躍されていらっしゃるイラストレーターやデザイナー、そして編集の方たちがその良さを熱弁していただき、ただただ感謝です。
雨の中をみなさんありがとうございました!
二次会では、サプライズがあり、TAの吉田とともにプレゼントと熱いメッセージボードをいただきました。思わず目頭が熱くなってしまい、うるうるしてしまいました。どうもありがとう!
今年度の卒業生ほんとうに素晴らしいです。
これからが始まりです。このパワーを継続して行ってくださいね。
あと、5日となりました。ぜひ若い私の秘蔵っ子たちの絵を観てやってください!
どうぞよろしくお願いいたします。