お猿の戯言 homosapiensaru's babble


2011年4月30日[土] 絵が描きてぇ〜!



この4月からデザイン学科の主任という大役を仰せつかった。
事務からいろんなメールが届くぞぉ〜!
処理が大変!うへぇ〜!

今、一生懸命それを日常化しようとがんばってはいるが、うまく流すにはもう少し時間が掛かりそう…。

ただひたすら自由に絵が描きてぇ〜!
それだけの人生になぜならないィ〜!きィ〜ッ!





2011年4月29日[金] 鯉のぼりプロジェクト参加



福島大学の絵画研究室の渡辺先生から、被災地の子どもたちへ向けて鯉のぼりプロジェクトに参加して欲しいという依頼がありました。
物資はそれ相応に支援されるものの、メンタルな部分に働き掛ける心への支援はなかなかむずかしいそうです。
渡辺先生からこんなメールが届きました。

「最近、福島市内の避難所で、マクドナルドやポテトチップス、コンビニのおにぎりなど、沢山の支援物資が届くようになりました。そのなかで子どもたちが頂いた支給品を自由に歩き回りながら食べている姿、ダンボールの囲いの中でテレビゲームに没頭している子どもたちが多くみられます。今回の「鯉のぼり作り」でも、決して子どもたちが皆、参加してもらえた訳ではありません。絵を描くのは面倒くさい、図工が嫌い、という子もいます。そのなかで学生と一緒に仲良くお話しをしながら、少しづつ歩み寄っていくと、「僕も色塗りたい」「ウロコ貼りたい」と言って、活動してくれる子も増えてきます。「鯉のぼり」活動が、子どもたちが互いに関わりをつくる、人と人のつながりをつくる契機として捉えております。子どもたち自らがもの作りの楽しさ、発信することの重要性、土地を考え、「場」を新たに生み出せる循環的な活動に転換できることを願っております。」

早速、指定されたサイズの布を用意して、私の研究室の3・4年生たちに声を掛け制作してもらいました。スタンダードなものからユニークな鯉のぼりまで40枚以上の作品が産まれました。

5月1日に展示されるそうです。いい結果を産んでくれるといいのですが。




2011年4月28日[木] 電通へ

美しい白髪のこの方が辰巳芳子さんだ。
美しい白髪のこの方が辰巳芳子さんだ。



辰巳芳子という料理研究家のドキュメンタリー映画が来年公開されるにあたり、その広報のためのビジュアル制作を担当することになり、今日電通に打ち合わせのために出向いた。

この方をご存知だろうか。もう86歳のお年だがこの方の思想は凄い!ただお料理を作るということでは済まない。ぼくはこの人の本を読ませていただいて、日本人が日本人たる由縁は食にあると初めて理解した。その土地、その国の食が文化というものを生み出している。いのちある食をすることが本当のいのちを育む。そして美しい文化を築く。

震災後、ぼくのところに届く情報やメッセージのほとんどが根幹を見据えよということに尽きる。この仕事の行き着く先はまだ茫漠としているが、素敵な思想に出会えてぼくの魂は歓喜している。




2011年4月23日[土] 我が愛しの池田氏を労う会へ

ヤッホー ヤッホッホ
ヤッホー ヤッホッホ



三月いっぱいで池田さんが定年退職された。
さみしい。さみしい。

事務室に行っても、ざらっとして粘っこいあのちょっと悪そうなそれでいて人情にめちゃくちゃ弱い熱血漢はもういない。
さみしい。さみしい。

ちゃんと仕事をしているところをこの数年見たことはないけれどあのおやじの暖かみはもう大学では味わうことができない。
さみしい。さみしい。


念願のはずの池田さんの中の悪の側面を描いた似顔絵を持って、本厚木のホテルへ着くと、会場の奥の方に悪戯を考えついたようなニヤニヤ顔の池田さんを見つけた。

「はいっ!」っと渡すと、似顔絵を見て「かっ!」っと一瞬は笑ってくれたものの、次の言葉が酷い!

「似顔絵より、谷さんのあったかい色使いの絵が欲しかった!」

こういうはばからないところがこの人から学べるところだ(笑)。いいねぇ、池田さん!ちゃんとそういう絵も用意してあるからだいじょうぶ。
池田さん、また呑んでくださいね。

絵を持ってまた池田さんを訪ねますから。




2011年4月11日[月] 第9回東京イラストレーターズ・ソサエティ公募展

入選を果たした4人の内の3人だ。<br>ひとりは具合が悪くて<br>早々に帰ってしまった。<br>左から、鈴木、あんこ、吉田だ。
入選を果たした4人の内の3人だ。
ひとりは具合が悪くて
早々に帰ってしまった。
左から、鈴木、あんこ、吉田だ。



今日は、公募展のオープニングパーティだ。

今年は、4名が工芸大から入った。31名の内の4名ということでまずまずとも言えるが、自分的にはもう少し、いやグッと食い込みたいところだ。

ひとりは、グランプリを決めるとき、惜しくも三番手についたが入選となってしまった。しかし、2名の審査員からMY BEST ONE賞に選んでいただいて素敵なコメントをいただいた。それがあんこだ。もう一人も、審査員のMY BEST ONE賞に輝いた。こいつが奥村紗加だ。この二人が現役の学生で、受賞当時は3年生だった。あとの二人は卒業生で、3回連続入選の鈴木紗穂(昨年、荒井良二賞をいただいた)と吉田麻里子だ。鈴木は今、児童関係のイラストレーションの仕事が進行中だそうだ。吉田は広告関係の会社を最近になって辞め、イラストレーションに燃えるやる気満々の女子だ。そう、4人とも女子だ。男子がんばれ!ファイトッ!まぁ見ておれ!秘密兵器をどんどん送り込んでやるからなっ!




2011年4月3日[日] 世田谷美術館へ

重要文化財 日月山水図屏風(左隻)<br>金剛寺蔵 室町時代 16世紀
重要文化財 日月山水図屏風(左隻)
金剛寺蔵 室町時代 16世紀
重要文化財 日月山水図屏風(右隻) <br>金剛寺蔵 室町時代 16世紀
重要文化財 日月山水図屏風(右隻)
金剛寺蔵 室町時代 16世紀



「白洲正子 神と仏、自然への祈り」という展覧会に行った。

昭和39年(1964年)、東京オリンピックの喧騒に背を向けるように、54歳の白洲正子は西国三十三カ所の巡礼に出た。その旅は、正子自身が生れつき持っていたものを開眼させ、自分自身に目覚めた正子のそれ以後の執筆活動に大きな影響を与えた。

正子は、高度成長により著しく変化していく日本の中で、古来より連綿と続いている日本人にとっての信仰心、その普遍的で変わらない精神を、また元々内包されている価値観や真理といったものを、カタチとして失われてしまう前にその本質を探らねばと思い立ったのかもしれない。

いま、日本に未曾有の災害が興り、これまで当たり前だったことの真価が問われている。一番大事なものは何なのか?この世に生を受け生きるということの意味を考えなければいけない。人々が古来より変わらず必要とするもの、してきたもの、その価値とはいったい何なのか?過去に戻るのではなく先に進むことの中で再考する必要が今まさにある。

大学生のときにそうしたことに気づいていながら、未だに深化せずにここまで来てしまった。今、この白州正子の精神に触れ、自分も死ぬまでそのことを探って行こうとしていたことを思い出した。この時期にこの展覧会が予定通り開催されたことの意味は大きい。自分が今年54歳となることも大いに影響をして、深く考えさせられた。

何年か前に日本橋高島屋で白洲次郎と正子の展覧会があったが、そのときの内容よりも心を打つものがあった。前のときは、白洲正子はもういいなと生意気にも思ったのだが、今回、会場を一巡してその考えが浅はかだったことに気がついた。正子の眼を通して日本人の素朴な美意識が展示品の品格とともによく伝わってくる。

この展覧会をぜひ観ようと思ったもうひとつの理由は、大阪の金剛寺にある「日月山水図(じつげつさんすいず)屏風」(室町時代/16世紀)が出品されると知ったからだ。「日本人が愛する日本の美術100選」というタイトルだったか?NHKの正月番組が数年前にあって、第三位に選ばれていたこの屏風。多くの日本人に愛されているのだ。御多分に漏れずこのぼくも数ある日本の絵の中で、最も好きなもののひとつと言っても過言ではない。

この屏風は何度かいろんな美術館で観てはいるが、最初に出会ったのは、大学生の時で東京国立博物館でだった。初めて接したとき、「絵ってこんなに自由なものなんだ!」と感動というか、驚愕というか、眼から鱗とはこのことだった。それ以降、この屏風絵には勇気づけられ、元気づけられてきた。

想像的で大胆で、結構アバンギャルドでもありながら、ディテールはかなり繊細なリアリティを持ち、抽象性と具象性がうまく同居していて、破綻しそうなくらい日本特有の装飾性が縦横無尽に大暴れしているのに、品よくまとまっている不思議な絵だ。最初に観た時、おこがましいけれど、前世で自分が描いたんじゃないのか!?と思ってしまうくらい絵を描くという精神的なシンパシーを身近に感じ、自分の感性をくすぐった。いったい誰が描いたのか?

とにかくぜひ観て欲しい作品だ。
ただ、この屏風は4月10日[日]までしか展示されていないので要注意!

 → http://www.setagayaartmuseum.or.jp/




2011年4月1日[金] 祈り

ⓒhiroki taniguchi 2011
ⓒhiroki taniguchi 2011



こんなメールが届きました。
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再来週の月曜日、鎌倉で大きな祈りのイベントがあります。

震災から1ヶ月目の4月11日[月]午後
鎌倉の宗教者が神道・仏教・キリスト教等、宗旨・宗派を超え、
鶴岡八幡宮に集結して祈りを捧げます。
その後、由比ケ浜に出て海に向かって祈ります。
どなたでも参加できます。
4月11日は鎌倉から祈りましょう。
合い言葉はPray from 鎌倉!

詳細は↓
Kamakura Pray Project〜東日本大震災 追善供養 復興祈願祭(公式情報)
http://kamakura.cocolog-nifty.com/_pray_project/

ボランティアさんによるリボン制作プロジェクト
http://blog.livedoor.jp/mebukiribon/

鎌倉の宗教者たちがこんなに熱くてクールなことにビックリしています!
残念ながらギリギリのスケジュールで動いているので、
告知やメディア発表が間に合っていません。
特に、ネット環境にない方にはほとんど情報が届いていません。
どうぞお近くの皆さんにお知らせください。
ご協力よろしくお願いいたします。

※チラシは現在デザイン中です。
お配りできるのは8日頃になりそうです。
スケジュール的にキツいので、口コミでお願いしますm(__)m

※なお公式サイトにアップされた情報以外お伝えできることはありません。

※メディア関係者の方、個人サイト、ブログをお持ちの方、
公式情報にアップされていることはご自由に転記していただいて構いません。
どうぞよろしくお願いいたします。

島津克代子
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私は残念ながら参加できそうにありませんが、その時間に鎌倉方面に向って
(あるいは北の方を向った方がいいのかわかりませんが)祈ります。