お猿の戯言 homosapiensaru's babble


2013年1月31日[木] 吉凶は人の心の中に在る



遠くの方で光っている小さな灯り。
幸せがちかちかと瞬いているのか、苦悩がぱちぱちと燃えているのか…。

いずれにしてもその灯りは、心に何かしら響くものがあり、
人の行く手に作用し希望や不安を醸し出す。

その灯りは、生きることの悦びと哀しみを分け隔てなく薪にして灯る。
ときに静かに、ときに激しく。

近づくとその灯りは、ただ静かに明滅を繰り返しているだけで、
ほんとうは何の憂いも持つ必要がないことを知る。

遠くにあった小さな灯りの吉凶は、それを見るその人の心の現れで、
闇を作り出すのは人自身なのだということを。






2013年1月30日[水] 桜肉を堪能



ヒキタクニオ著、小説「紅い月」上梓の打ち上げと新年会を兼ねて新宿御苑駅近くの「みのや」という桜肉専門店へ。

ヒキタとその担当編集者と私の三人でしっぽりと。

馬の精神は人と同格、またはそれ以上ということを何かで読んで以来、馬を喰らうということにどこか抵抗を示していた私は(といっても過去に二〜三回、おずおずと食したことはあったが…)、半分戸惑いながらその席に脚を運んだ。

遅れて玄関の扉を開けると、ヒキタがひょいと顔を出して、「坊さんみたいな顔してきたぞ〜」とウエルカムスマイルで迎えてくれる。

結果は、いやぁ、旨いのなんの!でした。
まずは、馬刺。赤身とたてがみの部分の脂身と合わせて食すとこれが絶品。いい。生姜醤油がまた効くんだなこれが。次は、桜なべ。肉の良さは当然だが、味付けだな。無粋に言うとすき焼き的な感じだが、この写真に写っている味噌がいいんだね。旨い旨い!酒は、芋焼酎のお湯割り。このお湯割りが熱々でホクホクでそのアルコールの強さが咳き込ませるくらいだ。旨い旨い!
桜肉は低カロリー、低タンパク質ということで、美容にはとってもいいらしい。

話しは、担当編集者の嫁探しになり、盛り上がった(?)。
ヒキタが、こんな授業したら面白いんじゃない?と考えを披露してくれた。
じゃあ、来年度どこかに組み込もうじゃない!と盛り上がって別れた。

また、やりましょう。




2013年1月29日[火] 骨を採取



大森駅のホームに大きな骨が落ちている。
初めて気がついたとき、にんまりとした。
犬が咥えたらきっと放さないだろうな。
誰も気づかないから、その方が不思議。
今日、iPhoneで採取してきた。





2013年1月24日[木] 捗らない日



思い描く今日一日の過ごし方
二つの仕事は完璧に片づくはず
しかし 現実はおいそれと微笑みをくれない
でも 別のところで微笑んでくれていた
そうだな 自分が今日一日をどう受け止めるかだな






2013年1月19日[土] 銀座・松屋へ



日本デザインコミッティ主催の風呂敷展(クロ・シロ・フロシキ展)のレセプションに顔を出す。恩師・佐藤晃一先生が音頭を執っているのだから行かない訳にいかない…と言っても、義務感ではなく、呼ばれることを幸せと感じてありがた〜く出席する。

みなさんそれぞれのフロシキになっている。私のフロシキは写真の通りだ。何かを包んだ状態でも展示されている。

近い世代では、永井裕明氏や大学の同僚である福島治氏が会場にいて、やぁやぁとあいさつをする。同世代というのはなんだか一緒にいて安心する。不思議な感覚だ。

大先輩のグラフィックデザイナーの中川憲造氏が、「あなたのが今回はベストワンだね」と言ってくださった。幾つになっても褒められればうれしいものだ(笑)。ウシシ。





2013年1月14日[月・成人の日] 初雪



仕掛けや複雑さは要らない、厚みということ。





2013年1月12日[土] 今日から円空展



仕事の締切を気にしながらも、どうしても初日に円空に会いたくて上野へ向かってしまった。

意外と狭い会場にはたくさんの人が溢れていた。そこにがしがしと円空仏がひしめき合っていた。
いやぁ、沁みるわ〜。
もはや、僧侶の余技ではない。
ついつい良寛のことを考えながら、神仏に仕えることの何かしらがもたらす力というものを感じた。

どこか厭世的な子どもだった私は、小学校の3年生の頃に母に聞いたことがある。
「お坊さんになってもいいか」と。
何を見聞きしていたのだろうか。宇宙の真理を探求し、それを書や絵画などを介してできることを
興味深く考えていたことは確かだ。今も変わらない自分の奥底に在る思考だ。

円空仏と対峙しながら、いろいろなことを考えさせてもらった。






2013年1月10日[木] 追われている!



いくつかの仕事に追われている!
そんなときに、思いつくことや閃くことがあったりする。
追われているからこその火事場の馬鹿力。
こういうのをむしろ大事にしよう。





2013年1月8日[火] 新年会

巳年にちなんで…。<br>これ実は、scottieのsの部分だ。
巳年にちなんで…。
これ実は、scottieのsの部分だ。



今日は、年明け最初の3年生の授業があった。
イラストレーション系のチームB(ビネスライクによりよいサービスができ、絵を提供できることを目指す系)の最後の課題のプレゼンテーションだった。全体の出来はイマイチだったが、中には成果を上げている者がいてよかった。が、みなさん、より一層の努力が必要ですぞ。自分を裏切るなよ!

終了後、新年会と称して呑み会を学生主導のもと開催。近所の居酒屋へ移動する。

時間が経つにつれ、アルコールの作用が手伝ってか、普段と全然違う表情を見せる者がいて興味深い。それを観ているだけでも酒が美味い。趣味悪いか(笑)。
この前はいつ頃呑んだのだっけかなぁ?
みんなの雰囲気が数段よくなっている。いい感じで盛り上がっている。この学年は、もちろん温度差があるが、大なり小なり自分というものを外に出せているように感じる。なので全体のコミュニケーションがうまくいっており関係が素敵に見える。

また、呑もう!




2013年1月7日[月] 愉しみ

聖観音菩薩立像 円空作<br>江戸時代・17世紀 総高156.8cm<br>岐阜・清峰寺蔵
聖観音菩薩立像 円空作
江戸時代・17世紀 総高156.8cm
岐阜・清峰寺蔵
国宝 孔侍中帖(部分)<br>原跡=王羲之筆 唐時代・7~8世紀摸<br>前田育徳会蔵
国宝 孔侍中帖(部分)
原跡=王羲之筆 唐時代・7~8世紀摸
前田育徳会蔵



愉しみにしていた展覧会が正月早々、立て続けに東京国立博物館で開催される。

円空と王羲之の展覧会だ。
円空は今週末から、王羲之は再来週の火曜日からだ。
珍しく初日に行こう。

歳を重ねたからこういった澁好みになった訳ではなく、学生の頃から好きだった。
若いときからどこか求道的なものに惹かれていた。
王羲之と円空とは、貴族と修験者と、生きている世界は違ったが、生み出された表現にはシビアな緊張感のある品格の高さを感じ感服する。円空の造り出したものたちは微笑ましい分、さらに大きな存在として包み込んでくれる懐の深さを感じる。


●東京国立博物館140周年 特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」
 本館 特別5室 2013年1月12日[土] ~ 2013年4月7日[日]

 → 円空展サイト


●日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 特別展「書聖 王羲之」
 平成館 特別展示室 2013年1月22日[火] ~ 2013年3月3日[日]

 → 王羲之展サイト




2013年1月3日[木] 年賀状



毎年元旦はやはり年賀状が楽しみだ。
昨年一年間、お世話になったり交流を持った方たちを中心に賀状をお出ししているが、お送りしていない方から届くことが多いのは、失礼ながら嬉しいことです。
さぁて再プリントだ。松の内に届くといいのですが…。

下の図版は、仙台のさくら野百貨店の今年の初売りの告知用ポスターのために制作したビジュアルだ。





2013年1月1日[火] 新年です

上/壱の鳥居から本殿を見上げる。三箇日の間、夜通し本殿が開かれている。提灯の灯りが素敵だ。この地にもう十年も住むことになるが神社の階段が何段あるのか数えたことがなかったな。今度数えながら昇ってみることにしよう。 左下/お皿に載ったものは、熊野神社でいただく丸餅の入った袋の中に入っているお札だ。この字がいいなぁと毎年思う。
上/壱の鳥居から本殿を見上げる。三箇日の間、夜通し本殿が開かれている。提灯の灯りが素敵だ。この地にもう十年も住むことになるが神社の階段が何段あるのか数えたことがなかったな。今度数えながら昇ってみることにしよう。 左下/お皿に載ったものは、熊野神社でいただく丸餅の入った袋の中に入っているお札だ。この字がいいなぁと毎年思う。



ついに2013年になりました。
昨年はこれまでになく早かった。
年々、早くなると感じるのは、歳を重ねている証拠か。


今年は個展ですねぇ。
本腰を入れて絵に邁進せねば。
そのことだけを考えるという気持ちで過ごして行きましょう。

0:00を回って、近所の神社へ初詣。
お囃子に癒され、お神酒と歳餅とお汁粉をいただく。
昨年のお札類をお焚き上げしていただいて、新しいお札を購入し、家路に着く。


今年もいい年でありますように…というよりは、
いい年になるようにして行く…ということだな。
結果を出さねばねぇ。